恋するplants


 クラスの女子に素を見られるのが怖いんだ。


 謙虚でかわいい私。


 小さい頃から作られたイメージを維持してしまう私。


 ホントはこんなんじゃないのに・・・


 クラスをくるりと見渡す。


 新しいクラスになってもうすぐ1ヵ月。


 女子のグループは大体決まってきちゃってる。


 グループに属してない私とマルタは女子の中ではういてるかも。


 人気者の小石川が傍にいてくれるから、ういてる感じはしないけれど。


 帰ろうかな?教科書を仕舞い、カバンを肩にかけた。


 教室を出たところで、


 「春風ナズナさんですね?」


 見覚えない男子生徒に声を掛けられた。


 水色のネクタイ・・・ってことは3年生?


 「そうですけど、あなたは?」


 突然、後ろから腕を掴まれた。


 「な・・・何?」


 「春風ナズナ、確保!」


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