恋するplants
「え!?・・・ちょっと!!」
男子生徒2人に腕を組まれ、捕らえられた宇宙人のように引きづられている。
何なの?つーか、誰だよ、お前ら!
★
数分後、私は2号棟の屋上で、VIP席である籐の椅子に座らされていた。
屋上に即席のステージが設けられ、ステージの前にはロープが張られている。
ロープからこちら側に女子生徒たちが集まっている。
スタンディングのライブで、女子生徒は1年生から3年生まで結構な数が屋上に集まっている。
みんな片手にお気に入りのメンバーの写真入りウチワを持って、彼らに登場を今かと待ち構えている。
私は「ARARE マネジャー」と自称する男子生徒から入り口近くに置かれた籐の椅子にこちらにお座り下さいと案内された。
南国リゾートなんかの写真に登場する枝で編まれたあの大げさな椅子だ。
不機嫌になりながら籐の椅子に座り、頬杖をついていると、入り口の扉が開き、マルタが現われた。
「あら、来たの?」
マルタは私を一瞥すると訊ねた。
取材のためか首には一眼レフをぶら下げている。