恋するplants


 芹が私以外の女の子のことをこんな風に話す日が来るなんて・・・悔しいけれど自分が悪いので何も言えない。


 「そんなに好きなんだマルタのこと」


 ちょっとぶっきらぼうに口を挟むと、芹は振り返り、え?何で?誰が好きか話たっけ?と動揺した。


 「だってバレバレだもん」


 「バレバレか・・・」


 そうと唇を尖らせると芹ははにかんだ。


 「好きだって言わないの?」


 そう訊ねると、芹はプレゼントの入った袋を掲げてにっこり笑って答えた。


 「実はこれを渡すついでに、気持ちを伝えてみようかなって思う」


 告るのか・・・そうだろうな。


 芹は自分の気持ちを相手に伝えるタイプだ。


 ホント、マルタが羨ましい・・・


 「ナズナ、どうしたの?」


 芹に言われて気付いた。


 私はいつの間にか泣いていた。あれれ、こんなつもりじゃなかったのに、オカシイ。


 芹が私を好きじゃないことなんてとっくに解ってるのに。


 私、悲しいの?


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