恋するplants
「痛い・・・コンタクトがずれちゃったみたい」
慌てて瞼を押さえると芹が大丈夫かと駆け寄ってきた。
痛いの目じゃなくて心だ。
次から次へと流れてくる涙を飲み込んで、芹に向かって微笑んだ。
「・・・頑張って、応援してる」
★
「えっ?小石川、入院したの?」
登校中の電車の中、つり革に掴まりながら隣の芹が答えた。
「ゴールデンウィークに、中学校の友達とキャンプに行くって言ってたんだけど、誤って崖から落ちたらしい」
「え?それで小石川はどうなったの?」
「それ程高い崖じゃなかったみたいだけど、足を骨折したらしい。本人は元気そうで昨日の夜電話があったんだ」
お調子者の小石川らしい、きっと羽目を外しすぎてこんなことになってしまったのだろう。
後でお見舞いに病院に顔を出そう。
「でさ・・・」
芹は言いづらそうに言葉を続ける。