恋するplants
「お昼なんだけどさ、よかったら一緒に食べない?俺、今、部活のみんなと中庭で食べてるんだよね。よかったら、ナズナも・・・」
あぁ、芹、私の心配してくれてるんだ。
小石川といつもお弁当食べてるから1人になっちゃうと思って。
優しいんだから。
「大丈夫、クラスの女子に声をかけてみるから」
「うん、そうか」
芹がそう言って微笑んだので、私も笑顔を返した。
「それより、いつマルタに告白するの?」
ストレートな質問に芹は躊躇していたけれど、中間テストの最終日が彼女の誕生日だから部活が終わったら中庭に呼び出そうと思うと照れながら教えてくれた。
そんな芹の様子を見て切なくなる。
芹は本当にマルタのことが好きなんだ。
校門をくぐったところで芹と別れ、下駄箱を開けた瞬間、いつもの雑草のおでましでため息が出た。
毎日毎日、飽きずによく続くものだ。
雑草を掴み取り、上履きに手をのばした所で上履きの中に黒いものが入っているのに気付いた。
黒く艶光りしていて、長い触角が2本、これってゴキブ・・・
「きゃ」