恋するplants
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小石川がいないことがこんなに心細いことだなんて思わなかった。
お昼休み、休み時間毎に教室に現われる小山紫苑を避けて、屋上へと続く、階段の踊り場でお弁当を広げた。
またここでお昼を食べることになるなんて。
ホームルームの一件で怖気づいた私はクラスの女子に一緒にお昼食べようと訊くことができなかった。
2年生になったら生まれ変わった気持ちで頑張ろうって思ったのに。
上手くいかないな。
お弁当を広げても食欲はわかなかった。
これからどうしよう?まだ5月なのに・・・考えるとヘコんでくる。
かつかつと階段を上ってくる足音がして顔を上げると、そこには重箱を持ったマルタが立っていた。
「何?」
「一緒にお昼いいかしら?」
何も返事をしていないのにマルタは図々しく私の横に座り、重箱を広げた。
私のお弁当箱の3倍はありそうなボリュームのお弁当をぱくつく。
「今朝のこと、嫉妬だと思うわ」
「え?」
マルタはもぐもぐ口を動かしながら言った。