恋するplants
電話を切ると興奮のあまりベットにダイブした。
枕に顔を埋める。
すごい!来週、よもぎさんの家に行くことになった。
明らかに楽しんでいる様子だけど柏さまさまだ。
目の前に現われた幸運にキャ~と叫びながら足をバタつかせた。
「ちえり、うるさいよ~」
隣の部屋のお姉ちゃんが部屋に入ってきた。
ごめんなさいと謝ったものの、顔はにやけたままだった。
約束の日。
私が××駅に着くとすでに柏が改札口の前で待っていた。
プール帰りの柏の髪は濡れていて、相変わらず塩素の匂いがする。
柏と一緒に電車に乗り込んだ。
「空いてる席あるのに座らないの?」
いつものようにドアの前に立つ私に柏が訊ねた。
「いつもの癖でなんとなく」
ふうんと相槌を打つと柏も空いてる席に座らず、私の斜め後ろ、座席の前のつり革に掴まった。
背の低い柏が、精一杯つり革に手を伸ばしてる様子は不自然で、不覚にもかわいいなと思ってしまった。