恋するplants


 「何、ジロジロ見て」


 とマルタが訊ねてきた。


 「芹と付き合うことになったんだってね」


 口元に手を当てて小声で囁くとマルタは顔を真っ赤にした。


 告白が上手くいったことは芹からメールを貰って知っていた。


 マルタも照れたりするんだなと可笑しくなってきた。


 「髪切ったら丸太さんと姉妹みたいじゃない?」


 ウケル~と笑い声が聞こえ、思わず振り返って楠を睨んだ。




  ★

 


 「球技大会の種目を後ろの黒板に貼っておくので、1人最低でも2種目出るように名前を書いて下さい。もし、希望の競技に人が殺到するようでしたら、クジで決めますので」


 ホームルームの時、そんな風に言ったのは3日前、プリントの提出日は明日の放課後だ。


 各種目とも男子の名前は埋まり、誰がどの競技に出るか決まったのに、女子の種目は空欄のままだ。


 いや、私とマルタの名前だけ寂しく書かれている。


 いよいよあからさまに解るように楠の嫌がらせが始まった。


 楠を中心として、クラスの女子の無視が始まったのだ。


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