恋するplants


 1年の時は無視されて私なんかってうじうじ悩んでいたけど、今度は絶対負けたくなかった。


 私は何も悪いことはしていない。


 そっちが勝手に僻んで妬んでいるだけだ。


 「あいつら春風さんがかわいいから妬んでんだよ。女子って面倒くせぇよな、俺、春風さんの見方だから何でも言って」


 クラスの男子がそう言ってくれることは素直に嬉かったけれど、これで余計、女子のひんしゅくを買うのかと思ったら気が滅入る。


 クラスのTシャツを作るのは手伝ってくれる男子に頼んで、問題はどうやって女子の出場種目を決めるか・・・とりあえず、担任に相談してみるか。




 「クラスの女子が話し合いをしてくれない?」


 「はい。プリントの提出が明日に迫ってるのに、誰も参加したい種目に名前を書いてくれなくて、先生から明日のホームルームでみんなに話してくれないかな~と」


 放課後、担任に相談をしに職員室を訪れた。


 担任は無精ひげを触りながら欠伸をし、椅子の背もたれに寄りかかった。


 それが人と話すときの態度かよとすでにイラついている。


 「春風、お前はみんなに推薦されて実行委員に決まったんだ。やるからには責任があるだろう。俺に頼るなよ」


 プリントを面倒くさそうにはじきながら私を見る顔には、「だるい」と書かれている。


 担任だったらクラスがまとまるように働け、そんな何事にもやる気がねぇから結婚できねぇんだよ!と罵声を浴びせたくなったのを飲み込んだ。


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