恋するplants


 「先生に聞いた私がバカでした。もういいです」


 プリントを机がひったくると、とっとと職員室を後にした。


 生意気だぞと文句を言う担任の声が聞こえたのを無視し、教室に向かう。


 イライラしながら階段を上ると踊り場で話しているマルタを見かけた。


 その隣には・・・小山紫苑?




  ★




 小山紫苑はマルタに笑いかけると彼女の肩を軽く叩き、階段を上がって行った。


 その場に残ったマルタと階段の下で目が合う。


 あ、と小さい声が漏れ、春風さんいたのとマルタに声をかけられた。


 しまった。


 びっくりして突っ立ったままだった。


 隠れれば良かったと後悔する。


 しかし、芹の次は小山紫苑と2人で秘密の会話ってまさかマルタ、人生初のモテキ到来?


 「ちょっと、アイドル部の取材のことで話してたのよ」


 にしては小山紫苑はやけにニコニコしてじゃない?って、


 「訊いてないけど」


 「そう、何だか訊きたそうな顔してたから」

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