恋するplants


 「ビンボウ草って別の意味があるみたい」


 はぁ?何、言ってんの?怪訝な顔をして振り返ると、マルタは微かに微笑んだ。


 初めて見るマルタの笑顔も耳元につけたリボンも似合わないなと思った。




  ★




 球技大会が数日後に迫った昼休み。


 私とマルタは体育館で球技大会での出場種目であるバスケットボールの1 ON 1の練習をしていた。


レイアップシュートを決めるとマルタがボールを取って、ちょっと休憩と体育館の端に腰かけた。


 「意外とやるのね、春風さん」


 「運動オンチに見えた?これでも中学の時はバスケ部だったんだから」


 マルタの隣に私は座った。


 周りの子を比べて背がそんなに高くない私はゴール前のシュートだけは頑張って練習したんだから。


 だいぶブランクはあるんだけど。


 「意外なのはそっちよ、マルタって機敏なだもん。びっくりしちゃった」


 マルタの巨体がボールを片手にドリブルやシュートを打つ姿を思い出して笑ってしまった。



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