恋するplants
掛け声を上げながらパスを受ける小山紫苑は爽やかだ。
端には彼の取り巻きの女子たちが奴がボールを受ける度に歓声を上げている。
最近はめっきり教室に現われなくなった。
校内で会うことはほとんどないし・・・私のことなんて忘れちゃってるのかもしれない。
私がここにいて、仲間と笑い合う小山紫苑を遠くから眺めてるなんて、本
人はしらないのかもしれない。
ぼんやりとしていると隣のマルタが立ち上がった。
「さ、もう一勝負。昼休みが終わっちゃうわ」
マルタが左手にボールを持ち、右手を差し出した。
★
球技大会は2日間の日程で行われる。
澄み切った青空の下、大会は2日目を迎えた。
実行委員の私は、あっちにいったりこっちに行ったりと忙しなく働いた。
クラスもまとめ役の小石川が不在にも関わらず、男子は1日目に行われたバスケットボールで3位に入賞した。
なかなか頑張っているみたいだ。
校庭の奥にある体育倉庫にソフトボールで使ったベースを片付けていると、