恋するplants


 「私、あんたのその人を見下すようなところ大嫌いなの。自分がかわいいと思ってるんでしょ?」


 「別に見下してなんかない。楠に興味がないだけ。自分がかわいいと思ってて何が悪いの?事実だろーが」


 「開き直ってんじゃねーよ!」


 楠がキレて私を押し倒した。


 遂に手が出てきた。


 楠はそのまま倒れた私にかぶさってきた。


 負けるものか!と力を込め、今度は私が楠の上になる。


 そのままマンガのように渡り廊下の上で転がりながら揉みあいの喧嘩になった。


 「いい加減になさい!」


 喧嘩を制止したのはマルタだった。


 私と楠の間に割り込み、掴み合いになっていた体を離した。


 楠は鼻血を出していて、駆け寄った数人の女子に抱えられ、保健室へと向かった。


 私も口の端を切り、血が出ていた。


 アドレナリンが出ていて、痛みは感じなかった。


 冷静を取り戻して、立ち上がると周りには人だかりが出来ていた。


 いつの間にかバレーの決勝戦は終了していたみたいだ。


 体育館の入り口で騒ぎを起こした私たちの様子を野次馬が興味津々に眺めていた。

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