恋するplants
クラスの雰囲気が良くないのも心がもやもやしてる原因の1つだ。
と言ってもその原因を作ったのも私か・・・
早く小石川が退院してくれたらいいのに。
あの最強に明るい笑顔でクラスにかかったどんよりとした雲を晴らしてくれないかな。
ため息をつき、校門をくぐる。
さすがに登校している生徒は少ない。
運動部の朝練かジャージ姿の生徒くらいだ。
昇降口の下駄箱に人影があった。
2-A、私のクラス?楠か?気まずいな・・・さっさと行ってくれないかな。
相手の様子を伺いながら忍び足で近づくとそれが男子生徒だとわかった。
パーマのかかった黒髪にすらっと高い身長、小山紫苑だ。
小山紫苑が手をかけている下駄箱って・・・
「何してるの?」
声をかけると小山紫苑はびくんと肩を強張らせてこちらを振り向いた。
「・・・春風さん」
小山紫苑は驚いて目を見開いた。
「そこ、私の下駄箱。そこで何してるの?」