恋するplants
もしかして芹がマルタに頼んでた?私が一人ぼっちにならないように、傍にいてあげろって。
そんな同情されたくない。
「ほっといてよ。芹に言われたからって私といなくていい!私は、どうせ私はみんなからハブられる嫌われ者なんだから!」
怒りがこみ上げてきて、声を荒げてしまった。
マルタはじっと私を見つめたままだ。
「勘違いされやすいけど、根はいい子なんだ。ただ、小さい頃から周りにちやほやされて育ってきたから、かわいい自分を作るのに必死だったから、自分の感情が上手くコントロール出来ないんだって、もし、丸太さんが良かったら彼女を気にかけてあげてくれないかな。そう言われたのは事実だわ」
マルタは淡々とした口調で語り始めた。
「確かに自分の容姿がいいことを知ってるし、クラスの男子もあなたと話す時は笑顔になるのも自覚してるんでしょうね。それで、女子が良く思ってないことも知っている。だから卑屈になってるのかしら?興味がないって意地張って。でも、それって結局、はたから見たら見下してるように思われるわ。楠さんが言ってたみたいに」
私は下唇を噛んだ。マルタは続ける。
「春風さんは感情をコントロール出来ないと汚い言葉を使って相手を罵るけど、言った後でものすごく後悔してるの知ってるわ」
何で?私はマルタの顔を見れずに目を伏せた。
「もっと自分に正直になればいいのに、あなたも変われるはずだわ。芹くんのようにね。ただ、1つだけ覚えていて」
マルタは私の手を取った。
「私は自分の意思であなたの隣にいるの」
鼻の奥がツンとなった。