恋するplants


 そう答えると小石川は一瞬止まり、じっと私の顔を覗きこんだ。


 何?と訊ねると、小石川は照れながら、


 「いや、そんな素直にお礼言われたの初めてだから。何か照れるな」


 「私、素直になろうって決めたの。これからはぶりっ子は辞めて素でいく」


 照れるなんてかわいいと小石川の頭を撫でるとからかうなよな!と怒られた。


 「おはよう、ムック」


 いつの間にか気配もなくマルタが隣の席に立っていた。


 「お、マルタ。久しぶり!何そのリボン、女に目覚めたのか?」


 「まぁね。それより、小石川、太った?」


 「入院中、暇で。つい、食べすぎ・・・ってマルタに言われたくねぇーし」


 久しぶりにマルタと小石川の掛け合い聞いたかも。


 何か、ほっこりするな。


 これからは素を出していこう。


 昨日、マルタに自分の気持ちを吐き出したらすっきりした。


 かわいい自分を演じるよりもそっちの方が楽だって気付いた。


 これから1年かけて頑張ろう。


 今はキマヅイけど、私から歩みよっていけばクラスのみんなもわかってくれるはず。


 新たな決意と共に、2人の様子を眺めていた。

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