恋するplants


 「紫苑様はみんなのものだって暗黙の了解知らないの?」


 小山紫苑の名前が出て納得した。


 この子たちファンの子たちだ。


 ユニットが解散するの私のせいだって思ってるんだ。


 「私は、ARAREのファンでもないし、小山紫苑に好かれてるワケでもない」


 むしろ、ビンボウ草を毎日、下駄箱に入れられるという嫌がらせを受けてました。


 「新聞にも書いてあったように解散するのは学業に専念するからで・・・」


 「いい子ぶってんじゃねぇよ」


 輪の中の一人に突き飛ばされて尻餅をついた。


 手の平にジメジメとした苔の触感がする。


 「紫苑様が毎日、教室に来てたのだって、あんたがたぶらかせたからでしょ?」


 「誤解だって」


 ダメだ全然、人の話聞いてくれない。


 私まで逆上して怒ったらこの間みたいなことになる。


 確かに何の用も無いのに教室に(小石川の所)に来てはこっちを意味ありげな視線を送ってきたから、あの時は私のこと好きなのかって勘違いしてたけど。


 こうなったらこいつらの気が済むまで黙ってた方がいいのか?


 「ホント、ムカつく~」

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