恋するplants
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「紫苑くんが春風の事、好きなのは絶対!俺、何度も紹介しろって言われてたんだから」
「でも、ビンボウ草の悪戯、小山紫苑の仕業だったんだよ。あれが嫌がらせじゃなかったら何だっていうの?」
小山紫苑がファンたちに囲まれて保健室に向かった後、私と小石川は気絶したマルタが目を覚ますのを待った。
マルタは気絶したにもかかわらずケロリとしていた。
外傷は無し。
いきなり私が叫んだのと小山紫苑に突き飛ばされたのでびっくりしてでの気絶らしい。
私たち3人は駅前のファミレスに集まっていた。
「だよな~。でも、紫苑くん天然入ってるところあるからな~」
小石川が頭を抱える。
「嫌がらせって春風さんの勘違い。ビンボウ草には別の意味がちゃんとあるって言ったじゃない」
特大抹茶パフェをつついていたマルタが口を挟んだ。
そういえば、前にそんなことマルタが言ってたような・・・
「どういう意味?」
「ビンボウ草の正式な名称はハルジオンというの」
ハルジオン?が、何か?きょとんとしている私を横目にマルタはカバンの中から筆ペンを取り出しし、テーブルの上に置いてある紙ナプキンを1枚抜いた。