恋するplants
ラストライブ
★
「おはよう」
終業式の日、登校して来た楠を見て、みんなが思わず小さな声を上げた。彼女がおかっぱ頭になっていたからだ。
朝から照りつける日差しの中、登校してきた楠のこめかみには汗が滲んでた。
みんなびっくりしすぎて楠のあいさつに答える者はいない。
楠自身、そのことを気にする様子もなく、自分の席にカバンを置くと私の席の前に立った。
「おはよう、どうしたの?その頭」
思わず訊いてしまった。
周りがしんとなり私と楠にみんなが注目しているのが解る。
私とマルタと楠、髪型が3姉妹みたいになっている。
楠は怒っているのか唇をきゅっと噛み締めて、私を見下ろしている。
隣の席のマルタに視線を送ると彼女も不思議そうな顔で楠を見ていた。
「私、あんたのこと大嫌い」
楠が口を開いた。
そんなの知ってるし、みんなの前で宣言しなくても・・・
「あんたがかわいいのは認めるし、あんた自身がそれを知ってて、私を見下したり、男子に甘えたりするのを見てると本当腹が立つ」