恋するplants


 小山紫苑はマイクの前に立つと一礼をした。


 汗に濡れたTシャツを彼は制服に着替えていた。


 「アンコールは僕のわがままを聞いてもらって、1人で歌います。今までの曲とは違った感じだけど・・・大切な人を思って書いた曲です。聴いて下さい。「ハルジオン」」

 

  ♪

  道端に咲いた何気ない花に微笑む君がかわいくて
  僕は恋に落ちたんだ
  泣いてる君や 怒ってる君 色んな表情の君が見たくて
  君が知りたくて 仲良くなりたくて
  そっと贈ったハルジオン


  あぁ君はそんな僕の想いに気付かずにいるんだね
  切ないけれどそれでもいいんだ
  でも君は君らしくいて
  僕がずっと君を見ているから


 
 小山紫苑がギターをかき鳴らしながら歌っている。


 女子たちはうっとりしながらペンライトを頭の上で右に左に揺らしている。


 初めて小山紫苑の歌がいいなって思った。


 下で揺れるペンライトの波がキレイだとも。



  ♪
  あぁ君はそんな僕の想いに気付かずにいるんだね
  切ない想いが届いたらいいのに
  君に贈った花は枯れてしまったけど
  ハルジオン 君が好きなんだ



 「これってやっぱり春風のための曲なのかな?」


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