恋するplants
In his room.
「もうちょっと言い方考えて発言してよね。・・・どうなるかと思ったじゃない!あ~怖かった」
○○駅を降りると,先に歩く柏の背中に文句を言った。
「何が?」
「何がじゃなくて・・・さっきの女子高生に対してよ。もっと丁寧な言い方で頼べば怒ることもなかったんじゃない?」
「え~、頼んで言うこと聞いてくれそうな感じじゃなかったけど?」
確かに・・・って違う。
年上なんだからマナーはきちんと教えないとね。
「でも、さっきの柏、テレビによく出てる芸人並みの毒舌ぶりだったよ」
「俺、あの人好きだもん」
ダメだ・・・話が逸れてしまう。
頭を抱えてもういいとため息を吐くと、前を歩く柏が急に振り返った。
「言わないよ」
「え?」
「ちえりが嫌がるなら、言い方考えるよ。キツイ言い方はしない」
「うん」
柏がにこりと笑ったので、一瞬どきりとした。
生意気で意地悪そうな笑い顔ではなく、自然に見せた優しい笑みに思わず拍子抜けしてしまった。