恋するplants


 どこか旅に出ていたのだろうか?そんな感じの風貌をしている。


 訝しげに思っていることが表情に出ていたのか彼は、


 「久しぶりの日本で、花火見れるの楽しみにしてたのになぁ」


 と空を見上げながら呟いた。


 そんな彼の横顔を見上げる。


 誰かに似てると思った。


 誰だろうと思っていると、彼が私の顔を覗きこんでいた。


 彼は私の顔を見て驚いていた。


 そうだ、泣いていたから。


 慌てて顔を下に向けた。


 「泣いてたの?どうした?彼氏に振られたか?」


 私は首を振った。


 彼は興味深々に私の顔を覗きこんでくる。



 ゴロゴロゴロ・・・ドーーーン



 その時、雷鳴が鳴り響き、近くに落ちた。


 「きゃっ」


 大きな音にびっくりして、思わず彼にしがみついてしまった。


 
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