恋するplants


 「うん、わかったならよし!」


 立ち止まる柏の頭をいいこいいこすると、


 「ガキ扱いするなよな!」


 上目遣いに睨んできた。


 あ、また生意気小学生に逆戻り・・・柏は少し乾いてきた髪をぐしゃぐしゃとかきむしると、すたすたと歩きだした。




 柏の家は駅から15分位歩いた住宅地の中にあった。


 新築の家が目立つ住宅地の一角で、柏の家も新しそうだった。


 アイアンの門扉を開けるとこげ茶色の木の扉へと続いている。


 門扉から扉へは石畳が敷き詰められていて、小さな短い道を作っている。


 石畳の道の横は芝が拡がっていた。


 向かって左側には手入れの行き届いた芝と物干し竿や物置があるこじんまりとした庭が見えた。


 右側はそのままリビングへと続いているのかテラスが作られていて、木製のテーブルと椅子、奥にはBBQセットが見えた。


 「家族でバーベキューとかするんだ?」


 扉の鍵を開けている柏の背中に話しかけると、あぁと興味なさげに返事をした。


 「親父がバーベキューとかキャンプとか好きなんだ。俺もそろそろ家族みんなで出かけるの恥ずかしいんだけど」


 「えー、いいなぁ。羨ましいよ~、仲良し家族じゃん」

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