恋するplants
「はい、ここから15分くらいですかね?」
「今日は買い物?」
「いいえ、バイトしてるんです。夏休みだけ。アイスクリーム屋さんで」
「そうなんだ。アイスクリームって何かきのこちゃんの雰囲気に合ってるね」
そんなことないです・・・俯くと、桂さんは小さくため息をついた。
「・・・きのこちゃんの彼氏が檜だったなんてね」
顔をあげると桂さんはじっと私を見つめていた。
★
「檜から彼女が出来たってことは前から聞いてたんだ」
離れていてもメールや手紙などで檜とまめに連絡は取っていたみたいだ。
「あの日は檜に約束すっぽかされたんだ。ごめんね、きのこちゃんを泣かせるような弟で・・・」
ふるふると首を横に振った。
「最近、檜、バイトばっかで、構ってもらえなくて悲しかったんです」
そっか、しょうがないなアイツは・・・と桂さんは小さく笑った。
なんか不思議、檜のお兄ちゃんだからかな?自分の思ってること言えてる気がする。
「かなり、ストレス溜まってるんだ・・・」
「はい」