恋するplants


 素直に頷き、しまったと思い、いいえと答えると見透かされたのか桂さんはひゃっひゃっひゃっと笑った。


 「あ、そうだ。バイトの先輩に映画のチケット貰ったんだけど行く?」


 「何の映画ですか?」


 「ホラー」


 「こ・・・怖いのは苦手です・・・」


 「大丈夫だって、逆に叫んだらすっきりするかもよ」


 にっこりと笑って私を見つめる瞳にはいと頷いていた。




  
  ★




桂さんのバイトの休みの日に合わせて映画館の前で待ち合わせをした。


 今日、桂さんと会っていることは檜には言っていない。


 友達と映画を見に行くとだけ伝えてあった。


 時間に少し遅れて桂さんが現われた。


 両手を顔の前で合わせて誤る桂さんに気にしていないと笑顔で答えた。


 遅れたお詫びにポップコーンと飲み物を買ってくると売店に向かった桂さんをチケット売り場に並ぶソファに座って待っていた。



 
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