恋するplants
別にと柏は照れたように下を向いた。
ドアノブを回し、どうぞと中に入るように促した。
「両親とも働いてるから平日はほとんど家にいないんだ。金曜日は付き合いもあるから帰りも遅いし。その分、休日は家族サービスに使おうって思ってるのかもな」
自分の両親をクールに分析する柏を可愛げがないと思う。
やっぱりいい両親じゃないか。
「俺の部屋、階段上がってすぐの扉だから先あがってて」
わかったと頷いて階段を上がると柏は奥の部屋へ消えていった。
「はい」
柏が持ってきたペットボトルのお茶を受け取る。
「ティーバックの位置がわからなくて冷たいのしか・・・」
「ううん、お構いなく。ありがとう」
柏のベットに座り、ぐるりと部屋を見回した。
窓が1つあるわりかし広い部屋で、窓際にはベットが置かれている。
反対側には勉強机とパソコンが置かれ、机は横にはクローゼット、扉を挟んで図鑑や漫画などがならぶ本棚が配置されている。
すっきりとまとまった部屋だ。
壁に貼られたサッカーの日本代表選手のポスターと背番号3のブルーのユニフォーム、勉強机の椅子に掛かってるランドセルと汚れたサッカーボール、本棚の上にならぶ集合写真とトロフィー。
近寄ってまじまじと眺めたら、中心部で肩を組み合って笑っているユニフォーム姿の柏が写っている。