恋するplants
「びっくりさせちゃってごめんなさい。何か叫びたくなって・・・」
「いいって、いいんじゃん。俺も叫んじゃおう!・・・うぉおおお~」
うわ~、きゃ~自転車に乗りながら思い切り笑った。
こんなに笑ったのっていつぶりだろう?すれ違う人たちが私たちを怪訝な眼で見ていたけれど、気にならないくらい楽しかった。
河川敷の遊歩道を下って舗道に出て、暫らく走った所で桂さんは自転車を止めた。
「着いたよ」
桂さんが道の端っこに自転車を止め、私は目の前に広がる光景に息を飲んだ。
「すごいです」
目の前いっぱいにひまわり畑が広がっていた。
私の身長よりも高いひまわりが所狭しと畑中いっぱいに咲いていた。
「バイトの移動中に見つけたんだ。すごいよな。私有地だから中には入れないけど、これだけの数があると迫力があるよね」
桂さんは満足気に頷く。
瞬きをするのを忘れてひまわりに見とれている。
アンスキャンデーとのぼりをつけた自転車が横切った。
桂さんが自転車に乗るおじさんを呼び止めて、荷台に付けられたクーラーボックスからアイスキャンデーを2本買った。
桂さんからアイスキャンデーを受け取り、そのまま舗道に腰かけてひまわりを見ながらアイスを食べた。