恋するplants
そうだな~と檜は考え込む。
その時だった。
檜のポケットの携帯が鳴った。
「ちょっと、ゴメン」
電話がかかってきたらしく、私から離れながら電話に出た。
少しして、通話の終わった檜が、
「きのこごめん」
と両手を顔の前に合わせて駆け寄ってきた。
「急にバイトに入ることになった」
「え?・・・今から行くの?」
「そっこーで来てくれって店長から言われて。きのこ、1人で帰れるよな。ゴメン、今度必ず埋め合わせするから」
また?
私とバイトどっちが大事なの?
今度、今度って何時なの?
ヒドイよ、檜。檜のバカ!
思いは次々と溢れてくるのに言葉に出てこない。
じゃあなと明るく手を振っただけで、後は振り返ることなくその場を去る檜の後姿を見ていたら涙が出てきた。