恋するplants


 「桂さんの歌に感動しました」とは恥ずかしくて言えず、下を向いてばかりいた。


 ずっと桂さんの歌声を聴いていたいようなそんな気分だった。


 檜のことでうじうじ悩んでいた気持ちが晴れていく。


 また一緒に行きたいな・・・桂さんのことを考えてたら携帯が鳴った。


 (今日はごめんな、明日ヒマ?家来る?明日は誰もいないんだ)


 檜からメールが来た。


 檜の家→誰も居ない→H→昼寝→帰る 最近のパターンだ。


 全然、嬉しくない。


 夏休みももうすぐ終わるのに、結局、檜との夏休みの思い出ってそんなのだけだ。


 つまらない。


 ドキドキしない。


 何か、もう、檜のこと好きなのか解らなくなってきた・・・どう返事しようか渋っていると、またメールが届いた。


 桂さんからだ。


 (明日は晴れらしい!夏の思い出に海に行く?)


 海。


 今年はまだ行ってない。


 そういえばプールにも行ってない。


 どうしよう?檜に会うか、桂さんに会うか?檜か桂さんか?


 私が会いたいのは・・・

 
 ため息をついて、頭を抱えた。深呼吸をして、返信を打った。

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