恋するplants



 「うわぁ~」


 バスから見える景色に思わず歓声を上げる。


 等間隔に並ぶ松林の向こうには一面の海が広がる。


 窓を開けると潮の匂いがした。


 風に髪をなびかせ、窓の外に顔を出した。


 バス停からビーチまで松林を抜けて歩くこと10分。


 目の前にビーチが現われた。


 地元の人しか知らない丸秘スポットだと桂さんが教えてくれた通り、ビーチに集まっている人は地元の人なのだろうか小麦色に日焼けをした若者たちだけだった。


 自転車が松林の入り口に止めてあったり、水着姿の女の子たちが何人か松林から歩いてきている。


 「一応、海の家と更衣室、シャワーもあるから」


 と桂さんが指差した先に物置小屋みたいな佇まいの海の家が見えた。


 茅葺屋根にじっと目を凝らすと屋根に掲げられた看板に「うみのいえ」の文字が見えた。


 台風とか来たら潰されちゃいそう・・・少し心配になったけれど、まぁ、ないよりはいいよね。


 着替えを終え、桂さんの姿を捜しにビーチに出ると、すでに着替えを終えた桂さんがイルカ型の大きな浮き輪を膨らませていた。


 声をかけようと近づいたときだった。


 セクシーなお姉さんたちが桂さんを囲んだ。


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