恋するplants


 「さっき、逆ナンされてましたね?セクシーなお姉さんに。桂さんってやっぱりもてるんですね・・・ごめんなさい、隣にいるのがこんなんで」


 恐縮しながら呟くと桂さんはぽかんと口を開けた。


 「きのこちゃん、何、胸ないの気にしてたんだ?」


 思わず胸を両手で隠した。


 「ヒドイ、そんなはっきり言わなくても」


 うじうじしながら桂さんを見ると、桂さんはひゃっひゃっひゃっと大笑いをした。


 特徴的な笑い方は檜とそっくりだ。


 「ゴメン、嘘。きのこちゃんはそのままでかわいいよ」


 白い歯を見せてにっこりと笑った桂さんに思わず胸が高鳴った。




 
  ★




 午後4時を過ぎると、空が急に曇り始めた。


 海の家のおじさんが夕立ちがきそうだと店を閉め始めた。


 ビーチにいる人たちも散り散りに帰っていき、桂さんも俺たちも帰ろうかと訊いてきた。


 着替えを終えると桂さんが海の家の軒下で待っていてくれていた。


 待たせちゃってすみませんと駆け寄ると、どんどん雲行き怪しくなってると空を見上げて心配そうな顔をした。
 
 
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