恋するplants


 ドキドキしながらよもぎさんの部屋に足を踏みいれる。


 「何か、いい匂いがする気がする・・・」


 「気のせいだろ?・・・変なやつ」


 きょろきょろしながらよもぎさんの部屋を見渡す。

 
 テンションはマックスだ。


 柏と同じ間取りの部屋は、カラフルな柏の部屋とは全く違った雰囲気だった。


 モノトーンで統一された部屋の家具と洋間に敷かれた黒いカーペット、ステンレスのラックに並ぶたくさんのCDはほとんどが洋楽だ。


 よもぎさんが普段どんな音楽を聞いているのかチェックしようとラックの前に立った。


 「音楽をずっと流しているのが好きだから、歌詞が耳に残るJ-POPよりは洋楽の方が好きらしい」


 よもぎさんの勉強机(といっても、スチール製の黒いシンプルな机だ)の前にある回転椅子に座ると柏はくるりと椅子を私の方に向けて、教えてくれた。


 私はよもぎさんの聞いているCDのアーティストと何人か記憶する。


 後で借りてみよう。


 ラックには写真立てに入った何枚かの写真と小さなメダルみたいなものが飾ってあった。


 家族写真(よもぎさんはお母さん似)、子供の頃のよもぎさんと柏(かわいすぎる!)、中学生の頃かな?今よりも幼いよもぎさんといつも駅で見かける茶髪くんの写真、柏のと同じようにどこかの体育館で撮られた部活の集合写真(よもぎさんバスケ部だったんですね・・・)写真の横には彼の好きなバスケットボールプレイヤーなのか肌の黒いいかつい背の高い人がダンクシュートを決めているポストカード、黄色と紫のユニフォーム、こちらも後でチェックしてみよう。

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