恋するplants
「嵐の夜」
★
「きのこ、明日なんだけどあいてる?」
夏休みも終わりに近づいたある日、檜から電話があった。
「バイトは?」
「夕方までなんだけど、夜、泊まりに来ないか?」
「檜に家に?両親は?」
「実は田舎の婆ちゃんが具合悪いらしくて、今日から田舎に行ってるんだ。2,3日は帰って来ないんだ」
檜からお泊りのお誘い。
両親がいないならお兄ちゃんの桂さんは?
「兄貴は友達の家に泊まり行くって言ってたからさ」
訊く前に檜から先に教えてくれた。
ということは檜と2人きりか・・・
「久しぶりにきのこが作ったご飯が食べたいな」
ちょっと甘えた声を出す檜に胸がきゅんとなって、仕方ないなぁと言いつつも、お願いされると断れないし、やった!と子供みたいにはしゃぐ檜をかわいいなと思ってたのに。
何か・・・違和感?
何なんだろう?この気持ち。