恋するplants
返却用のDVDを整理していたよもぎくんが私に気付いて顔を上げた。
「よもぎくん、久しぶり。今日、バイトの日だったんだ」
「そう、きのこちゃんは?檜と待ち合わせ?」
うんと頷き、カウンターに近寄った。
「DVD、檜の家で見ようと思ってなにかオススメある?」
「そういえば、檜、見たいって言ってた映画あったな・・・」
よもぎくんは少し考えるような表情をして、答えた。
「ランキングの棚にあるよ」
そう教えてもらい奥の棚へと進んだ。
檜が見たがってた映画は3Dとアカデミー賞で有名な作品だった。
カウンターでよもぎくんに接客してもらう。
「今日、檜んちに泊まるんだって?」
よもぎくんが訊ねてきた。
檜、そんなことまでよもぎくんに喋ってるの?少し恥ずかしくなる。
「檜が嬉しそうに報告してきた。相変わらず仲いいね」
よもぎくんは屈託ない笑顔を向ける。
仲がいい。
そんなことないよ。
笑顔を返して、さりげなく話題を変える。
「よもぎくんは何時までバイトなの?」