恋するplants


 ご飯が炊け、ハンバーグを焼いている途中で、冷蔵庫にケチャップがないのに気付いた。


 「檜、ケチャップって新しいのないかな?」


 「ケチャップ?何に使うの?」


 「ケチャップとソースを混ぜてハンバーグのソースを作ろうと思ったの」


 「何か代わりにソースになりそうなのないの?」


 「うん、醤油とかドレッシングとかしか・・・」


 檜の家からさっきのスーパーまで10分くらい?ちょっと本降りになってきちゃったけど、買ってくるか・・・


 「ちょっと、私、買ってくるね」


 「マジかよ。この雨だぜ?いいよ、俺、買ってくるから。何か、炭酸飲料も欲しいし」


 「ごめん、ありがとう」


 檜はTVを消すと腰をあげた。


 気をつけてねと玄関で見送ると、行って来ますとキスをされた。


 不意打ちにびっくりしていると、檜はひゃっひゃっひゃっと笑い声を上げた。


 暫らくすると、がちゃりと玄関のドアが開く音がした。


 スーパーに行って帰って来るにしては早い。


 忘れ物かなと思って玄関に出る。


 「檜、忘れ物?」


 「・・・きのこちゃん?」


 檜じゃなくて桂さんだった。


 雨の中を走ってきたのか桂さんはびしょ濡れだ。

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