恋するplants


 「今日、友達の家泊まるんじゃ・・・」


 「そうだったんだけど、急に電話で彼女と喧嘩始めちゃって。ヤバいってことになってそのまま解散に・・・檜、俺がいないのをいいことにきのこちゃんを泊めようとしてたワケか」


 力なく笑うと桂さんはタオルを取りに洗面所に向かった。


 「で、肝心の檜はどこ?」


 着替えを終えて、リビングに入って来た桂さんが私に訊ねる。


 「ちょっと、買い物をしにスーパーまで」


 そっかと頷くと冷蔵庫からお茶を取り出し、ソファに座る。


 何かちょっときまづい気がするのは何故だろう?


 「ハンバーグ作ってるんです。桂さんも一緒に食べませんか?」


 ありがとうと答えるものの何か素っ気無い感じが外で会う時と感じが違うのは家だから?


 その時ーーー。


 外がピカッと光ったと思ったら、辺りが急に暗くなった。


 

 ★




 「停電ですか?」


 「・・・懐中電灯どこだったかな・・・」


 暗闇に目が慣れなくて、何も見えない。


 手を動かしたらすっと刃物に触れてしまった。


 しまったと思った瞬間、指先が熱くなる。


 「あぁ・・・」

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