恋するplants
「意図的だった。ごめん、近くで見たらめちゃくちゃかわいくて、一目ぼれっていうの?あの時泣いてたきのこちゃんの傍にいたいって思ったんだ。会った日に寝ちゃうなんてチャラい奴って思ったかもしれないけど・・・俺の中にはあの日からずっときのこちゃんがいるんだ」
桂さんのコロンの匂いが鼻先を掠めた。
そう思ったら、ぎゅっと抱きしめられていた。
「思いを伝えたら、少し楽になった。これで最後だから、電気が点くまでこうしてて。檜には内緒にするから」
耳元で桂さんが囁く。
ドキン、ドキン。
鼓動がさっきよりも強くなる。
・・・はなして下さい。
そう言いたいのに、言葉が出なかった。
これで最後、私、正直、桂さんの優しさに甘えてた。
檜にかまってもらえないのが寂しくて、その分、桂さんで埋めようとしてた。
ごめんなさい、私、桂さんを利用してたの。
でも、桂さんに抱きしめられてこんなに胸が熱くなるなんて、私、桂さんに心が揺れてたの?
ぱっと目の前が明るくなった。
蛍光灯の光が眩しい。
電気が通ったみたいだ。
「何してんの?」
ソファ越しに声がしたリビングの扉へと視線を向ける。
檜が立っていた。
ゴトッ