恋するplants


 わらびの部屋に戻るとわらびはベッドの上に座っていて携帯をいじっていた。


 ベッドの横には私用のふとんが敷かれている。


 「急に来ちゃってごめんね。わらびありがとう」


 わらびの隣に座り、改めてお礼を言うと、わらびが私の表情を伺ってる。


 「今ね、よもぎくんと電話してたんだ」


 「・・・そうなんだ」


 「ひのきん、よもぎくんちにいるんだって」


 檜、よもぎくんちに行ってたんだ。


 「台風で雨ザーザーの中、ずぶ濡れでバイト先に来たらしい」


 「檜、何か言ってた?」


 「2、3日泊めてくれって言われたって。どうしたの?って訊いても何も話さないんだって。よもぎくんちに着いたら、着替えてそのままベッドに入って丸まってるって」


  檜の行動が目に浮かぶ。


 親友のよもぎくんに私と桂さんのことまだ言ってないんだ。


 「・・・泣いてるかもってよもぎくん言ってた。鼻すすってる音聞こえるって。そっとしといた方がいいかもしれないから、あえて声かけないって」


 よもぎくん、優しい。


 私、よもぎくんやわらびにも気遣わせちゃってるんだな・・・わらびは携帯を枕元に置くと、私の顔を覗き込んだ。


 「で、何があったか、きのこは話してくれるの?」

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