恋するplants
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桂さんと会った経緯から今日までのことをわらびに全て話した。
花火大会の日の夜のことを話している時に、わらびは眉をしかめたけれど、何も言わずに黙って聞いてくれた。
桂さんに抱きしめられたのを檜に見られたときのことを話すとき、思い出してまた涙が流れてきた。
わらびがタオルを渡してくれて涙を拭った。
全部話すと、わらびは何か考えているのか2人の間に長い沈黙が訪れた。
怒ったかな?檜のお兄ちゃんと浮気しちゃうなんて最低だと思ったよね。
わらびの表情をじっと見つめる。
「で、きのこの今の気持ちはどうなの?ひのきんと別れてお兄ちゃんと付き合いたいとか・・・」
それはないと首を振る。
「確かに、檜と比べると桂さんといる方が楽だったの。色んなところに連れ出してくれるし、年上だから、ちゃんと女の子として扱ってくれるし、檜は最近ずっとバイトばかりで寂しかったの」
「それで、ひのきんのお兄さんと?」
「1回だけ。その後は、何回か遊びに行っただけで・・・」
「でも、お兄さんで寂しい気持ち埋めてたんだよね?お兄さんもきのこのことが好きなら、もしかしてひのきんからきのこを奪おうと・・・」
「それはない・・・と思う」
2人の仲を引き裂くつもりはない、そう言ってた。