恋するplants
でも、だんだん2人の距離が近くなって、桂さんに安らぎを感じると同時に、桂さんも私のことを好きになっていたのかも知れない。
思いを告げてそれで終わりにしようと、あの時ーーーーー結果、檜に見られてしまった。
「それはない、ね・・・きのこ、わらびはきのこのこと親友だって思ってる。それはこれからもずっと変わらないって信じてる」
わらびが急に真面目な顔をして手を握ってきた。
「でもね、ひのきんとも友達だから、ひのきんの気持ちになったら、きのこのしたことですごく傷ついたと思う。それって、ひのきんのお兄さんにも同じことで、きのこは2人を同時に傷つけてしまったんだよ」
「・・・解ってるの・・・私が悪いの・・・でも、どうしたらいいのか解らなくて・・・2人は兄弟だし・・・」
またぼろぼろと涙がこぼれた。
もう涙腺がおかしくなったみたいだ。
嗚咽が混じり、自分でも何を言ってるか解らない。
「ひのきんがバイトばかりで寂しいとか愚痴があったら本人に直接言えばいいじゃない。ひのきん、ちょっとデリカシーの無い所あるから言わなきゃ伝わんないよ。きのこは平和主義者で、言いたいこと言えないで我慢する性格だけど、それってきのこにとってもストレスになるし、ひのきんにも全然解ってもらえない」
「・・・でも、わがまま言って嫌われたら・・・怖いの・・・」
「嫌うワケないよ。ひのきんがきのこのことすごく大事に思ってるの、わらび知ってるもん。もっと自分に自信を持って」
わらびが小さな手で私の手をぎゅっと握って、にっこりと微笑む。
瞬きもせずに口を開けてわらびを見つめていると、よしよしと頭を撫でられた。