恋するplants


 帰り道、空を見上げた。


 今にも泣き出しそうな空だったのに、今では濁った雲の切れ間から光が差し込んでいた。


 それが希望の光にも見え、何だか勇気を貰った気がした。


 檜にもう一度告白しよう。


 そう思った。




  
  ★




 夏休み最後の日。


 私は花火大会の毎年花火大会が行われる川の橋の上に立っていた。


 (明日、5時に花火大会の会場の橋の上で待ってます)


 檜に昨日そうメールした。


 桂さんがオーストラリアに旅立ってから数日後、わらびから檜が今日バイトを入れてないことは確認した。


 一方的に送ったメールで返信もなかったから、もしかして檜はここに来ないかもしれない。


 でも、来てくれる可能性を信じてみたい。


 橋の欄干に頬杖をついて川の流れを眺めてた。


 時間を確認すると6時を過ぎたとこだった。


 暗くなるまでは待とう、そう決めていた。

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