恋するplants


 特に目立つタイプではない彼女はおっとりとしていつもニコニコしていていかにも女の子って感じだった。


 新しいクラスで、出席番号順で前後になった。


 極度の人見知りで、周りに話しかけるなオーラを出していた私の壁を彼女はいとも簡単に壊した。


 ニコニコと愛想のいい笑顔を浮かべながら、


 「茉雪さんだよね?私ね、実は茉雪さんのこと中学の時から知ってたんだぁ。塾同じだったんだよ~。クラス違ったから私のことなんて覚えてないかもしれないけど」


 その通りだった。


 中学3年の夏季講習から塾通いをしていたけれど、他校の生徒も多かった塾に全然慣れず、結局、同じ中学の子以外とは誰とも話さなかった。


 塾、一緒だったんだと私は曖昧に笑った。


 「茉雪さん、目立ってし。私憧れてたんだ~。同じクラスになれて嬉しい。ね、私たち友達になろうよ」


 私が塾で目立ってた?


 それは170cm近くある身長のせいだろう?


 憧れって・・・友達になろうって普通面と向かって言う?


 彼女の笑顔に圧倒されながらニタニタと貼り付けた笑いを浮かべてうんと頷いた。


 嬉しい~と彼女ははしゃいでいた。


 女の子ってやっぱ、ちょっと苦手かも?そう思いつつも、知り合いが誰もいなかった教室で彼女の友達になろう宣言は人見知りの私にはありがたく内心ホッとしたのも事実だった。


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