恋するplants
「茉雪さんもカラオケ行かない?」
新しいクラスに慣れて来た頃、隣の席の男子に突然誘われた。
「歌、ヘタなんだけど・・・」
「じゃ、ボーリングとかは今度の日曜とかどう?」
「それって、2人で行くの?」
「ダメ?」
ダメ?って男の子と2人で出かけるのとかしたことないし、あんまり話たことのないあなたと何でわざわざ休日にまで会わなきゃならんのだ。
頭に浮かんだ率直な感想だった。
でも、そんなこと本人には言えるわけなく、答えにしどろもどろしていると、
「ダメ~、ぼたんはそういうの苦手なの~」
椿が助け船を出してくれた。
よかったと安心する。
「げっ、畑中聞いてたの?せっかくデートに誘おうって思ってたのに・・・」
「げって何よ。ぼたんはね、男子が苦手なの」
苦手とか言ったことないけど・・・ま、いいか。
「それよりさ、みんなで行こうよ。ボーリング。丁度、球技大会の打ち上げも兼ねてさ~」
「え~、茉雪さんも参加してくれるなら、それでいいけど・・・」