恋するplants
7・3で○○○の○太郎みたいに片目が隠れた男がこちらを眺めている。
思わずと鳥肌がたった。
「あ・・・秋川くん?何してるの、そんな所で・・・」
その男の正体は秋川楓。
同じクラスだけど、話をするのは今日が初めてだ。
クラスの誰とも話さないし、休み時間は自分の席にかじりついてなにやら書き物をしてるし、みんなもあえて話しかけたりしない。
いわゆる、クラスで浮いてる人だ。
おそるおそる訊ねる。
「茉雪はいつも冬月先生を目で追いかけてる。君は意識してるつもりないけどバレてるよ」
秋川はそう言うとさっと扉の影に隠れた。
「ちょっと!」
何言ってるの?
秋川を追いかけて扉の影を覗いたけど、そこに彼の姿はもう無かった。
早っ!!突っ込みをいれつつも、秋川に言われた一言が気になる。
私、冬月先生を見すぎてた?いけない。
相手は教育実習生だとしても先生だ。
ぱんぱんと軽く両頬を叩いて、心に芽生えた恋を摘んだ。