恋するplants


 「大人のキスしようか?」


 え?顔と上げた瞬間に先生の唇が私の唇を塞いだ。


 どくんどくんと鼓動が早くなる。


 暖かい先生の舌がするりと入ってきた。


 たばこの味がする。


 ファーストキスだったのに。


 先生は私の了解も得ずに簡単に奪ってしまった。


 長いキスが終わると私は何も考えられなくなってしまった。


 先生は何事も無かったかのように、ホームルームの時のような爽やかな笑みを浮かべて、また明日と去って行った。


 床に落ちたメガネを拾った。


 良かった。


 どこも壊れてないみたいだ。




  ★



 お昼休み、中庭のベンチに座って一人でお弁当を食べていた。


 「一緒にランチしよ」という椿の誘いを断った。


 一瞬、ムッとした表情をしていたけど、すぐに笑顔になりざんね~んと明日は一緒に食べようねと約束した。


 なんか、最近、椿といるのが疲れる・・・でも、高校生になってからできた初めての友達だし、彼女はいい子だし、私も人見知りの性格直したい。


 我慢も必要だ。

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