恋するplants


 知ってるの?が言葉にならない。


 鼓動は早いのに冷や汗が出てくる。


 秋川に見られてた。


 「大丈夫、知っているのは僕だけだし。誰にも話すつもりもない。ただ、冬月先生は辞めておいた方がいいと思う」


 秋川は目線を合わさずに淡々と答えた。


 「何で、秋川がそんなこと言うの?秋川は先生のことなんて何も知らないくせに」


 秋川はそのまま黙って下を向いてしまった。


 何なの?言いたいことがあるならはっきり言え。


 さらさらと流れる黒髪に余計イライラしてくる。


 「メガネ辞めてコンタクトにしたのも冬月先生のため?」


 「悪い?」


 冬月先生がメガネじゃない方がいいっていうからコンタクトにしたの。


 好きな人に可愛く見られたいって思って何が悪いの?


 「僕はメガネをかけた茉雪の方が茉雪らしいって思うけど・・・」


 「○○○の○太郎の髪型の秋川に言われたくないわよ!」


 立ち上がるとそのまま振り返らずに教室に戻った。


 秋川が名前を呼ぶ声が聞こえたけど思いっきり無視をした。



 
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