恋するplants


 すごい屈辱感・・・女の子って面倒くさい。


 冬月先生にがっかりしすぎて、涙も出ないよ。


 隣に座る秋川を見た。


 秋川は髪を切っていた。


 さっぱりしたら意外に顔立ちがいいことに気がついた。


 「髪切ったんだ。そっちの方がいいんじゃない?どうせなら髪も染めたらいいのに・・・」


 「ありがとう。今度はそうしてみるよ」


 小さく笑うと秋川はポケットから小さなピコピコハンマーのキーホルダーを取り出した。


 「茉雪にあげる。茉雪って、いつも教室にいるとき無理してそうな気がして、これで僕を叩いて、ストレス発散するといいよ」


 ピコピコハンマーを受け取って、秋川の頭を叩いてみた。


 ピコンと気の抜けた音がする。


 何かどうでもいいって気分になってきた。


 その日を境に私はコンタクトを辞めて、トレードマークのメガネに戻した。





  ★




 「でも、20歳で出来婚ってどうなの?」

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