恋するplants
一回り大きい蓮の洋服を着るのが好きだ。
蓮の匂いにすっぽり包まれた気がして安心する。
蓮の住む一軒屋は3つのベッドルームと2つのバスルーム、サンルームにバルコニープラス屋上と庭付きという1人暮らしには広すぎる家だ。
もともと別荘として使っているので、最小限の生活必需品だけでさっぱりとしている。
白をベースにした壁と床に、籐で編まれた南国風のインテリア、各部屋に置かれた背の高い観葉植物、つややかな葉を見れば蓮の手入れが隅々まで行き届いているのがわかる。
蓮はマメだ。
「お、さっぱりした?もうすぐ出来るから座って待ってて」
フライパンを片手に爽やかに笑う。
蓮は料理も上手い。
玉子を片手で割り、シャカシャカと混ぜ、フライパンに流す。
片手でフライパンを動かしながらオムレツを作る。
手際がいい。
「お待たせ。あり合わせで作ったから、たいした物じゃないけど」
ランチョンマットが敷かれた目の前のテーブルにオムライスが置かれた。
サラダとポトフが添えてある。
「おいしそう。いただきます」
チキンライスの上に乗ったオムレツを2つに割ると中から半熟のとろとろ玉子が出てきた。
プロですか?実家暮らしで家事の手伝いもろくに出来ない私は蓮に頭が上がらない。