恋するplants


 「なんか、こり症みたいで一度、興味があると突き詰める癖があるんだよね」


 いつか蓮が言ってた。


 家事は1人暮らしをしてから始めた。


 こり症の蓮は1人暮らし歴6年目で家事はベテランの主婦並にこなす。


 部屋もいつもキレイ。


 生活観のかけらもないくらい塵1つ落ちてない。




 蓮の作ったご飯を食べ終わると、蓮の部屋に移動して、赤ワインを飲んだ。


 20歳になってからお酒もたしなむようになった。


 家の地下にあるお父さんのワインセラーから拝借してくる赤ワインの値段は怖くて聞けない。


 蓮はたばこをふかしながら、舐めるようにワインを飲む。


 あんまりお酒が強くない私はグラス1杯で酔っ払ってしまう。


 そうするといつも蓮は私をベッドに運んでくれる。


 「一緒に寝てくれる?」


 お酒に酔ったせいにして蓮にそんなことをお願いしてみる。


 蓮はくすりと笑って、私のメガネを取る。


 「何か嫌なことでもあった?」


 「高校の時の同級生が結婚するんだ。結婚の招待状が来たの」


 蓮は私の隣に寝転がって、腕を伸ばした。


 私は蓮の腕に頭を乗せる。


 蓮がほどいた髪を撫でてくれている。

< 320 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop