恋するplants
3時間目
★
「合コン?」
「そう、明日なんだけど、どーしても、人数集まらなくて。茉雪さんが参加してくれると嬉しいんだけどな~」
大学2年、夏休みが近づいている日だった。
午後の授業を終えて、帰り仕度をしていると、同じ授業を取っていた女の子に声を掛けられた。
麻田千草(あさだちぐさ)。
派手な格好をしていので、教室で目立つ女の子だったけれど、同じ授業を何個か取っているので面識はあるが、話をしたことは1度もない。
なので、話かけられたのにびっくりした。
「何で、私を?」
「茉雪さんって美人で目立つし~、表向きは合コンだけど~、飲みを兼ねて~茉雪さんと仲良くなれたらな~って思って~」
何でいちいち語尾を延ばすんだろう?向かいの席に座り、頬杖をつきながら私を見上げる麻田さんを見る。
付けまつ毛すごいなぁ。
ふと関係ないことを思った。
「私、あんまりお酒強くないんだけどなぁ・・・」
断ってもいいだろうか?話とか合わなそうだしな。
でも、断ったら陰で悪口とか言われちゃうんだろうか?あぁ、何で今日は秋川来てないんだろ?秋川がいたら、困ってる私を目ざとく見つけてくれて、用事つけて逃がしてくれるのにな。